深日洲本ライナー
岬町と洲本市が主催となって社会実験運航している深日洲本ライナーに乗船しました。
もともと深日港から洲本港までの船便はあったのですが、明石海峡大橋ができたせいで廃止になりました。
でも廃止になった港周辺は寂れるばかりなので、もう一度活性化させるのが目的のようで、「深日港路再生へ向けて」では関空を拠点に大阪湾観光ルートの構築の手段としてこの航路の復活をあげています。
多くの人は数ある交通手段のなかから選ぶとき、何某かのメリットを感じるものでなければその交通機関を選びません。
当然のことながら、選択理由は人それぞれです。
物理的に早い、乗り換えが少ない、運賃が安い、運行業務に携わっている人が親切、便利なダイヤになっている…
当ブログはバリアフリーに関するブログですので、バリアフリーの観点から批評をしていきたいと思います。
関空を拠点とする観光ルートの構築の手段である以上、この観光ルートが連携をしなければ意味がないと思います。
しかも関空が拠点ということは関空から深日港までのアクセスが良くないといけません。
現在、関空から深日港まで電車を利用する場合、南海電車に乗り、泉佐野とみさき公園で乗り換えが生じます。
どちらもホームが変わります。渡り線を使えば関空から深日港まで直通電車を走らせることは可能ですが関空の橋そのものがJRとの共用なので、運行本数が限定される関係で理想ではあるけれど実現は難しいので、せめて泉佐野からの直通電車を仕立てないと荷物を持っていることが前提となるであろう客が敬遠します。
そして、最寄り駅となる深日港駅はバリアフリー化された駅ではありません。
幸い、バリアフリー化するにはスロープにすればいいので用地も予算もかけずにバリアフリー化できます。
深日港駅のそばには岬町役場があるので、役場までのアクセス向上を目的に港湾関係の予算ではなく、街づくりの予算からつぎ込んでいただきましょう。
駅を降りたら、港までの案内類が多くあったので初めての人でも迷うことなく行けるので好感が持てます。
深日港側では「さんぽるた」という観光案内所で乗船券を購入します。
休憩するスペースがあったり、トイレがあったりするのですが、あまり広くはないので長居は難しそうです。
車いすトイレもあります。
施設が新しいのできれいです。

バリアフリーの視点で見ると「言葉が出ません」。
もちろん、いい意味ではありません。
車いすのまま乗船するのは絶望的です。
乗船通路から車いすの幅ではありません。
特に手前にあるのは何のためにあるのか分かりません。
介護保険で借りられる折り畳みのスロープを付けてくれた方が幅が広いのでありがたいです。

荷物を持ってここを通行するのは難しいです。
船舶業界では当たり前のことかもしれませんが、車いすごと乗船ができるできないでは大きく違います。
高齢化社会を迎えた現在、バリアフリー化されていないと選択肢の中に入らないケースが出てくると思います。
ですので、社会実験の結果定期的な運行が決まったら、バリアフリー化は必須だと思います。
また、荷物を持った乗客を想定した船でないといけないことも付け加えておきます。
結論:この航路の問題点
1 乗船時および港までのアクセスのバリアフリー化が遅れている
2 乗船前後の乗り継ぎアクセスが質量ともに貧弱
3 観光ルートの構築の割に観光客のニーズに応えていない
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