今年の7月1日にミライロIDの運用が開始されました。
とは言え、紹介する私がイマイチピンと来ていません。
平たく言えば、身体障害者手帳の内容などをスマホで管理するアプリで、手帳の代わりにスマホに記載画面を提示することで手帳の代わりに使えるようにするのが趣旨だと解釈しています。
投稿日現在、西武(鉄道・バス・ハイヤー)の3社、嵯峨野観光鉄道、日の丸交通(東京のタクシー会社)、南紀白浜アドベンチャーワールドのみの窓口(バスやタクシーの場合は)乗務員に呈示することで割引ができるはずですが、運用開始早々なのでミライロIDの存在すら知らない乗務員がいると思われるのでしばらくはトラブルが続くのかなと予想してしまいます。
しかも西武鉄道では回数券はミライロIDで割引できるのに普通乗車券はミライロIDで割引ができないという。
回数券も改札窓口で購入する訳だから普通乗車券も同様の手続きで購入できるようにすればいいのにと思うのは私だけでしょうか?
また、嵯峨野観光鉄道でもミライロIDで割引ができるのは嵯峨野観光鉄道の窓口だけでJRのみどりの窓口や旅行会社の窓口での購入では従来通り身体障害者手帳での呈示のみです。
JRで障害者割引のきっぷをミライロIDで出来るようになるにはかなりハードルが高いと思われます。
旅客鉄道会社(=JR6社)に身体障害者旅客運賃割引規則と言うのがあります。
第8条 身体障害者が割引乗車券類を購入する場合は、身体障害者手帳を発売箇所に呈示し、口頭又は適宣な申込書をもって必要な乗車券類の申し込みをしなければならない。
ミライロIDの登録では、身体障害者手帳そのものではなく、カラーコピーの位置づけと言う扱いになろうかと考えられます。JRで障害者割引の乗車券の購入において身体障害者手帳の原本呈示というのを緩和するしか方法はなさそうです。
しかし、この規則はJR各社共通なので1社だけで変更というわけにはいかない。
JR各社が写真付きの精神障害者保険福祉手帳呈示でも障害者割引が適用されていない現実を見てもミライロIDで交通運賃の割引があまり期待できないと思います。
交通運賃が期待できないならレジャー施設の窓口や行政サービスということが考えられますが、前者は自社の規定を変えるだけなので比較的ハードルが低いでしょうが、行政窓口も手帳の原本呈示を改めない限りこれ以上の進展は難しいでしょう。
個人的にはミライロIDの運営には申し訳ないけれど、行政と共同で電子身体障害者手帳(仮称)に取り組んだほうがいいのかもしれません。
その時にはスマホの変更時には行政の窓口で変更届をするくらい面倒なシステムにはなりますが、日常生活用品の取得状況や障害者総合支援法の各種制度の有効期間などもスマホで確認ができるようにすれば今まで以上に身体障害者手帳の代わりになりえるのではないかと考えます。
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