前途多難なAIロボット
今年の9月30日までAIを活用した「非対面」や「非接触」でのお客様案内の実証実験というのを下記の7社で行っています。(会社名の50音順)
近鉄・京王・東急・南海・JR西日本・阪急・JR東日本
大阪在住の身としたら地元でやっている社会実験なので、地元の鉄道会社でどういうものなのか見てみたいと思いました。
そして、AIの実力を試してみました。
まず大阪駅に行ったのでJR西日本テクシア製の「歩夢AyumI」と言いたいのですが、どこにあるかわからず後回しになります。 なのでほぼ同位置にある阪急大阪梅田駅にある凸版印刷製の「BotFriends🄬Vision」からになります。
この機械は阪急の他にJR東日本の仙台・盛岡・秋田・新青森駅が稼働中で高輪ゲートウェイ駅が今週中に稼働開始になります。
ボタンのところに直接触れなくても作動するのは他の機械も同じなのですが、ボタンの位置が画面上なのに音声認識するマイクは画面下にあり、操作しにくい。
また、具体的に伊丹駅までの乗り換え案内をしてもらいましたが、インターネットの路線検索並みの精度でAIならではというのが感じられませんでした。
ホテルまでのルート案内も某グーグルのルート検索の結果が表示されてプリントアウトができない分折角の道案内も見ず知らずの土地での道案内の役に立ちそうもありません。
好感が持てるのは設置場所をニュースリリースで明記していたのでどこにあるのか分かりやすかったです。
ちなみに場所は2階中央口及び3階改札口の京都線側の改札あたりです。
(どちらも改札外にあります。)
地下鉄に乗ってなんばに行きました。 南海なんば駅3階南海線側の改札外にティファナ・ドットコム製のAIさくらさんです。
この機械は南海の他に後述する近鉄やJR東日本の海浜幕張駅が稼働中で渋谷駅は今週中に稼働開始します。
ここで質問したのは「近鉄電車に乗りたいけれどエレベーターでのアクセスを教えてほしい」と聞きました。
(もちろん、答えは知っているのですが敢えて訊くのが性格の悪さが出ています。)
「エレベーターのアクセスはこちらです。」
と言って画面が真っ白になりました。
私の頭の中が真っ白になりました。
思わず、たこやき食べる前にAIの仕事をしろとツッコミました。
グルメ情報は自社ビルにあるお店ばかりでないところは感心しました。
ただ、ボタンの操作性が悪く、ボタンの真上のところに手をかざしているのですが、なかなか作動してくれません。
これは後述する近鉄でも同じことが言えます。
ただ、ボタンの位置とマイクの位置が比較的近い場所にあるのは好感が持てます。
これも後述する近鉄も同じです。 近鉄大阪難波駅地下2階の東改札の改札内にあるAIさくらさんです。
今回紹介する4駅の中で唯一改札内にある機械です。
南海から近鉄は歩いていきましたが、改札内にあるのでこの駅から東か西か電車に乗るしかありません。
南海と同じ機械ですが制服は違ったものを着ているようで運営会社によって同じ機械でも個性が出せるものだと思います。
近鉄で質問したのは「次の快速急行で奈良に行った時、近鉄奈良駅の到着番線を教えてほしい。」と言いました。
(近鉄奈良駅のホーム階は3番のりばだけエレベーターがあり、それ以外に到着すると段差こそないものの3番のりばまでぐるっと回らないといけない構造になっています。もちろん、エスカレーターや階段は他のホームにもあります。)
そうしたら、さくらさんは奈良公園の観光案内を始めました。
もはや、とんちんかんな回答以外何物でもありません。
それでも路線検索を使うとちゃんと具体的に1番のりばに到着と案内が出ました。
とは言うものの阪急のところでも述べた通り、インターネットの路線検索並みの精度でAI技術でならではという代物ではありません。
あと、形がデジタルサイネージに似ているのでAIロボットとデジタルサイネージの見た目を変えないとデジタルサイネージに話しかけるといった間抜けなことをしそうです。
最後に阪神西九条から環状線に乗って大阪駅まで行きました。 JR西日本テクシア製の「歩夢AyumI」です。
これだけは本当に探し回りました。
鉄道案内所に聞いても桜橋口と回答され、その桜橋口にないから聞いているのですが、埒が明かないけれどこのブログを書くには必要なので探しまくりました。
何と御堂筋口の北側にありました。
大阪駅の桜橋口は大阪駅の南西の位置ですが、対角線上にある御堂筋口の北側なので大変でした。
こちらの機械は他社駅も含めてもここにしかありません。
ここで尋ねた質問は…
「北新地駅に行くエレベーターでのルート案内」です。
ここでもこのAIは「桜橋口から階段を下りて行ってください。」
当然のことながらこの回答には不満足でしかありません。
この機械にはインターホンで係員に直接質問できる機能が付いていますが、当然知っているので係員に不必要な作業をさせるので係員に聞くのはやめました。
画面が小さいのと文字が屈折して見えるので使い辛かったです。
4つの機械を見て思ったのはAIがバリアフリーの手助けになるのはまだまだ先の未来だということです。
梅田や難波といった場所でエレベーターの場所を把握している人なんて少ないので、こういう情報は必要になると思うのです。
今はコロナで外国人観光客が少ないけれど、少し前に南海なんば駅から地下鉄千日前線にエレベーターで行けるルートを案内したことがあります。
健常者でしたがエスカレーターでスーツケースを1人で2個運ぶのでエレベーターでないと怖いと言っていました。
それなりにエレベーターでのアクセスルートは需要があります。
エレベーターの話だけではありません。
耳の聞こえない方に音声案内なんて難しい。
AIを使って手話で案内するといった技術を使えばいいのにと思います。
聴覚障害者用のボタンを押すと手話案内やリレーサービスと連携をするといったこともできそうです。
AIそのものがまだまだ発展途上の技術で改良の余地がある分、この実験でバリアフリー情報の需要を掘り起こしてほしいです。
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