複雑怪奇な名鉄の運賃計算ルール
私が毎年JTB時刻表を購入していたのですが、すでに売り切れていたので今回はJR時刻表を購入しました。
時刻表の巻末には簡素ながら私鉄や路線バスの時刻表が掲載されています。
その中で名鉄の時刻表のページを見てずっとわからないことがあったのです。
名鉄犬山線 名鉄名古屋-新鵜沼(犬山経由) 30.1km 620円
名鉄名古屋本線 豊橋-東岡崎 29.8km 570円
名鉄名古屋本線 豊橋-岡崎公園前 31.1km 570円
(距離はJR時刻表に掲載されていた営業キロを抜粋)
同じ鉄道会社の路線なのにどうして運賃が違うのだろうと思っていました。
実は名鉄では営業キロではなく、運賃計算キロで運賃計算をします。
この運賃計算キロは営業キロとは似て非なるもので、名鉄の場合、線区ごとに3種類の運賃計算があります。
その区分とは…
A名古屋本線
B西尾線・蒲郡線・豊田線・常滑線・空港線・築港線・河和線・瀬戸線・津島線・犬山線・各務原線・小牧線
C豊川線・三河線・知多新線・尾西線・広見線・竹鼻線・羽島線
Aは運賃計算キロ=営業キロ
Bは運賃計算キロ=営業キロ×1.15
Cは運賃計算キロ=営業キロ×1.25
で計算します。
A・B・C群で計算します。
例えば、豊川稲荷(豊川線)-内海(知多新線)の場合
(ここでは運賃計算キロを表示)
豊川稲荷-国府(豊川線)9.000km
国府-神宮前(名古屋本線)52.6km
神宮前-太田川(常滑線)14.145km
太田川ー富貴(河和線)25.645km
富貴-内海(知多新線)17.375kmになります。
おのおの計算すると
A52.6km
B39.79km
C26.375kmになります。
ここで小数点第2位を切り上げます。
A52.6km
B39.8km
C26.4km
これからA+B+Cをします。
そうすると118.8kmになります。
ここで下の運賃表の登場です。
ちなみに小数点以下は1km単位に切り上げます。なのでこの例の場合は119kmとなります。
運賃計算キロ | 旅客運賃(大人) |
1~3 | 170円 |
4 | 190円 |
5~7 | 230円 |
8 | 240円 |
9~12 | 300円 |
13~16 | 360円 |
17~20 | 410円 |
21~24 | 460円 |
25~28 | 510円 |
29~32 | 570円 |
33~36 | 620円 |
37~40 | 680円 |
41~44 | 750円 |
45~48 | 810円 |
49~52 | 880円 |
53~56 | 950円 |
57~60 | 1,010円 |
61~64 | 1,070円 |
65~68 | 1,140円 |
69~72 | 1,190円 |
73~76 | 1,240円 |
77~80 | 1,290円 |
81~85 | 1,350円 |
86~90 | 1,400円 |
91~95 | 1,450円 |
96~100 | 1,500円 |
101~110 | 1,590円 |
111~120 | 1,680円 |
121~130 | 1,760円 |
131~143 | 1,850円 |
この表によると1,680円です。
実際にはこれに知多新線・豊田線・羽島線・空港線を利用する場合、これに所定の加算額が必要です。
富貴-内海間の加算額は70円と設定されているので運賃は1,750円になります。
ただし、ややこしいのは学割や障害者単独で乗車する場合は運賃計算キロではなくて営業キロで計算するのでこの場合だと108.3kmになり、100kmを超える距離になるので学割や障害者単独での割引は効きますが、豊川稲荷ー富貴までだと営業キロが100km以下なので割引が効きません。
そして、名古屋本線と犬山線の運賃計算区分は双方の分岐駅である東枇杷島駅ではなく、東枇杷島駅と西枇杷島駅の間にある、枇杷島分岐点(東枇杷島駅から0.6km、西枇杷島駅から0.3kmの地点)からになります。
例えば名鉄一宮ー徳重・名古屋芸大の場合
名鉄一宮-枇杷島分岐点 14.9km
枇杷島分岐点-徳重・名古屋芸大8.395kmで運賃計算キロ23.3kmで24kmの運賃区分である、460円になります。
もちろん、枇杷島分岐点に駅はないので東枇杷島で乗り換えても問題がありません。
こういうルールや運賃検索では距離まで出ないケースが多いので公式のHPぐらいは載せてほしいと思います。
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